今回の題材
出典先:”台南牛肉湯vs.日本A5和牛 網紅Cheap留言掀論戰”より |
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<解説>
台南牛肉湯(ニゥロゥタン)というのは、日本ではまったくなじみのないグルメですが、わかりやすく言えば「スープ牛肉」とでも言いましょうか。
スライスした生の牛肉を椀に入れて、上から熱々の牛骨スープを注ぎかけます。
牛肉の周辺がスープの熱で色が変わり、内側は半生、スープの中にこのレアからミディアムの牛肉スライスが浮いている。
これをニンニク、しょうが、唐辛子などを醤油に混ぜたジャンにつけて食べる料理です。
スープにも牛肉のエキスが溶け込み、非常に濃厚で芳醇、ライスを別途注文して食べるのですが、ついついライスをお替りしてしまいますし、スープも飲み干してしまいます。
筆者の義弟は、これが好きで、一人で牛肉湯で1キロの牛肉を食べきります。
ちょっと他のサイトから写真をお借りしましょう。
こんな感じです。
googleマップより「六千牛肉湯」さんのページ画像 |
この料理は「台南牛肉湯」と呼ばれるように、台南地域の名物料理で、台南市やその周辺の地域では屋台風の店からレストランまで、多くの牛肉湯を提供する店があります。
「牛肉湯」との看板が出ていたら、この料理の店です。
台湾では酪農が主に台南地域、嘉義地域、高雄地域で行われていることから、南部台湾では「牛肉」料理が多く見受けられ、嘉義では「牛肉麺」が名物です。
ただ、その多くが記事にもあるように酪農で使用された乳牛ですので、和牛のような味でなく、日本人にはややくどく感じられるかもしれませんが、それをこうしたスープと合わせ、薬味を添えて食べることで芳醇な味わいにしているのはなかなかの知恵です。
むろん、台北でも今はこうした料理は味わえますが、鮮度の違いがあるのか、南部で食べたほうが筆者は美味しいと思います。
ところで、記事にも出て来ますが、台湾では肉は凍結させない非冷凍が好まれ、市場ではその日に解体した肉が常温でハエ除けファンをかけた状態でまな板の上で売られています。
日本ではありえない光景ですし、常温で放置されていたら不衛生ではないか?などと日本人は思いがちですが、ところがこれが臭みはむしろ冷凍肉よりも全然なく、熟成されていて美味しいのです。
カレーを作っても、冷凍保存をした肉とはまるで味が違うのです。
けっこう台南住人はこの牛肉湯をこよなく愛しており、ネット著名人もやたらなことで誤解を受けるとたちまち大炎上。
それだけ特色あって美味しい料理ですので、台南方面に観光に行かれる方は、ぜひ一度食べて見られたらいかがでしょうか。
<大意訳 全文>
(タイトル)
◎台南牛肉湯VS日本A5和牛 ネット著名人CHEAPのメッセージで炎上騒ぎ
歴史解説を専門としているネット著名人「CHEAP」さんは、140万人のフォロワーを持つが、最近彼が「牛肉湯(スープ牛肉)」を論じた文章の終わり書いた「スープ牛肉なんてあんなもんで、肉の質は国外で専門的に飼育された牛には到底及ばない。にもかかわらず『日本のA5和牛にだって負けていない』などと言ってる人を見かける」、この一言が少なからぬネット民に台南名物の牛肉湯を攻撃しているものととらえられ、すぐさま炎上騒ぎが勃発、これに対して彼は自分自身が台南出身であることを明かし、牛肉湯がマズいなんて言ったことはない、ただ台湾で作られる牛肉湯は「乳牛を原料」とし、また「飼育環境はよろしくない」ことを言っているだけであり、台湾での牛の飼育繁殖の質が重視されることを希望しているだけだ、と対応した。
新鮮な非冷凍の牛肉にコクのあるスープを上から注ぐ、本場の台南牛肉湯は、旅行客が台南に来たらぜひとも食べたい美食である。台湾では9割の牛肉湯は乳牛を使用する。しかしながら最近飲食関係の作家が書いた討論では、2025年よりニュージーランドからの鮮乳の台湾輸入関税が全廃されるのに伴って、乳牛を飼う酪農は減少する恐れがあり、酪農にも牛肉湯業者にも衝撃をあたえるであろうと憂慮する。これをネット著名人CHEAPさんが文末下にあるメッセージに引用、牛肉湯はあんなもんで、国外の専門的に飼育された牛には到底及ばない、にもかかわらず『日本のA5和牛にだって負けていない』などと言ってる人を見かける、この一言が少なからぬネット民に台南名物の牛肉湯を攻撃しているものととらえられ、すぐさま炎上騒ぎが勃発、台南市長の黃偉哲までもがフェイスブックで発言、台南牛肉湯はこの世にならぶものないグルメだと援護した。ある人は言う。「どちらかといえば台湾の牛肉を支持する、だって台湾の牛肉はわりと安い」。ある人は言う。「どちらかというと台湾の牛の牛肉湯を支持するな、だって新鮮度が違うし、凍結保存をかけていないから」
牛肉湯業者の生のアニキは言う。「和牛は脂が多くて肉は少ない。われら台湾の牛は肉が多くて脂は少ない」。乳牛を使用する問題から討論は脱線していき、台南牛肉湯はうまいかマズいかが焦点となっていった。CHEAPさんはここで出てきて強調、メッセージの要点としては単に台湾牛肉がなにを原材料としているのかと、飼育環境のことを言っている。現段階では明らかによろしくはないというだけ。これまで台南牛肉湯を攻撃したことはない、と。ネット著名人CHEAPさんの発言は次の通り。「みなさんに伝えたかった意味はこういうこと。台湾の牛の繁殖環境改善には力を入れていくべきであると。そしてCHEAPは牛肉湯をマズいと思っているなんてことは言っておらず、これは完全に言葉尻を取った誤解であり、私はまったくそのように言ってはいない」。
実際、以前彼は写真を投稿し台南牛肉湯の滋味ある味を大絶賛していた。ただ思いがけずひと言のメッセージで沢山の人たちがとびかかってきて台南牛肉湯のおいしさを守ろうとした。実際、台湾本土の牛でも日本の和牛でも、どんな食べ方であろうとも、それぞれの良さがあり、同じように美味しいものに国境はない。当然ながらそれぞれの食べ物には熱烈な信奉者はいる。
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原文引用・語彙注釈・大意訳
◆今回の出典:台湾yahoo:華視
2023年11月27日 週一 下午6:46
台南市 / 蔡孟峻 陳信仁 劉漢生 報導
セクション1
◎台南牛肉湯vs.日本A5和牛 網紅Cheap留言掀論戰
專門講解歷史的網紅「CHEAP」,擁有140萬名粉絲,不過最近他在一篇討論牛肉湯的文章底下,說出「牛肉湯就是那樣,肉質不可能比得上國外專門飼養的肉牛,竟然看到有人說『我們牛肉湯不輸日本A5和牛』,此言一出,不少網友認為是在攻擊台南牛肉湯,馬上掀起論戰,對此他澄清,他自己就是台南人,從來沒說過牛肉湯不好,只是台灣製作牛肉湯的「乳牛來源」以及「飼養環境不佳」,希望台灣能重視養殖牛的品質。
<語彙注釈>
網紅Wǎng hóng=ネット有名人 粉絲Fěnsī=フォロワー 飼養Sìyǎng=飼育する 竟然Jìngrán=こともあろうに 不輸Bù shū=負けていない 掀起Xiānqǐ=…し始める 澄清Chéngqīng=明かす 乳牛來源Rǔniú láiyuán=乳牛が供給源 養殖Yǎngzhí=飼育する
<大意訳>
(タイトル)
◎台南牛肉湯VS日本A5和牛 ネット著名人CHEAPのメッセージで炎上騒ぎ
歴史解説を専門としているネット著名人「CHEAP」さんは、140万人のフォロワーを持つが、最近彼が「牛肉湯(スープ牛肉)」を論じた文章の終わり書いた「スープ牛肉なんてあんなもんで、肉の質は国外で専門的に飼育された牛には到底及ばない。にもかかわらず『日本のA5和牛にだって負けていない』などと言ってる人を見かける」、この一言が少なからぬネット民に台南名物の牛肉湯を攻撃しているものととらえられ、すぐさま炎上騒ぎが勃発、これに対して彼は自分自身が台南出身であることを明かし、牛肉湯がマズいなんて言ったことはない、ただ台湾で作られる牛肉湯は「乳牛を原料」とし、また「飼育環境はよろしくない」ことを言っているだけであり、台湾での牛の飼育繁殖の質が重視されることを希望しているだけだ、と対応した。
セクション2
新鮮溫體牛,淋上濃郁湯頭,道地的台南牛肉湯,是遊客造訪台南必吃美食,台灣有9成牛肉湯,是由乳牛製成,不過最近有飲食作家發文討論,擔憂隨著2025年紐西蘭鮮乳來台全面免關稅,養乳牛的酪農恐怕減少,會衝擊酪農業和牛肉湯業者,這也引來網紅CHEAP到文章底下留言,牛肉湯肉品再怎樣,都不可能比得上國外專門飼養的肉牛,我竟然看到有人說,「我們牛肉湯不輸日本A5和牛」,此言一出,被不少網友認為是在攻擊台南牛肉湯,掀起論戰,連市長黃偉哲Huángwěizhé都在臉書發文,力挺台南牛肉湯舉世無雙,民眾說:「比較支持台灣牛肉,因為台灣牛肉比較便宜。」民眾說:「比較支持台灣牛的牛肉湯,因為台灣牛牠吃的是新鮮度和現宰。」
<語彙注釈>
淋上濃郁湯頭Lín shàng nóngyù tāngtóu=コクのあるスープを注ぐ 道地的Dào dì de=本物の 擔憂Dānyōu=心配する 紐西蘭Niǔ xī lán=ニュージーランド 酪農業Làonóng yè=酪農 留言Liúyán=メッセージ 力挺Lì tǐng=援護する 現宰Xiàn zǎi=殺して間もない
<大意訳>
新鮮な非冷凍の牛肉にコクのあるスープを上から注ぐ、本場の台南牛肉湯は、旅行客が台南に来たらぜひとも食べたい美食である。台湾では9割の牛肉湯は乳牛を使用する。しかしながら最近飲食関係の作家が書いた討論では、2025年よりニュージーランドからの鮮乳の台湾輸入関税が全廃されるのに伴って、乳牛を飼う酪農は減少する恐れがあり、酪農にも牛肉湯業者にも衝撃をあたえるであろうと憂慮する。これをネット著名人CHEAPさんが文末下にあるメッセージに引用、牛肉湯はあんなもんで、国外の専門的に飼育された牛には到底及ばない、にもかかわらず『日本のA5和牛にだって負けていない』などと言ってる人を見かける、この一言が少なからぬネット民に台南名物の牛肉湯を攻撃しているものととらえられ、すぐさま炎上騒ぎが勃発、台南市長の黃偉哲までもがフェイスブックで発言、台南牛肉湯はこの世にならぶものないグルメだと援護した。ある人は言う。「どちらかといえば台湾の牛肉を支持する、だって台湾の牛肉はわりと安い」。ある人は言う。「どちらかというと台湾の牛の牛肉湯を支持するな、だって新鮮度が違うし、凍結保存をかけていないから」
セクション3
牛肉湯業者生哥說:「和牛是油多肉少,我們台灣牛是肉多油少。」從討論乳牛問題,歪樓變成台南牛肉湯是否好喝,CHEAP出面強調,留言只是要點出,台灣牛肉來源以及飼養環境,現階段明顯不佳,從來沒要攻擊台南牛肉湯,網紅CHEAP說:「跟大家表達的意思是這樣子,我們台灣的養殖業環境是有待加強的,而不是說CHEAP覺得牛肉湯不好喝,這完全是斷章取義,我完全沒有這樣講過。」
<語彙注釈>
歪樓變成Wāi lóu biànchéng=話はそれるが 待加強的Dài jiāqiáng de=力を入れるべき 斷章取義Duànzhāngqǔyì=言葉尻をとらえている
<大意訳>
牛肉湯業者の生のアニキは言う。「和牛は脂が多くて肉は少ない。われら台湾の牛は肉が多くて脂は少ない」。乳牛を使用する問題から討論は脱線していき、台南牛肉湯はうまいかマズいかが焦点となっていった。CHEAPさんはここで出てきて強調、メッセージの要点としては単に台湾牛肉がなにを原材料としているのかと、飼育環境のことを言っている。現段階では明らかによろしくはないというだけ。これまで台南牛肉湯を攻撃したことはない、と。ネット著名人CHEAPさんの発言は次の通り。「みなさんに伝えたかった意味はこういうこと。台湾の牛の繁殖環境改善には力を入れていくべきであると。そしてCHEAPは牛肉湯をマズいと思っているなんてことは言っておらず、これは完全に言葉尻を取った誤解であり、私はまったくそのように言ってはいない」。
セクション4
事實上,日前他也曾經拍片,大讚台南牛肉湯的好滋味,只是沒想到,一篇留言,卻引發一堆民眾跳上來,維護台南牛肉湯的美味,其實不論是本土牛,還是日本和牛,不論哪種吃法各有各的好,同樣的美味不分國界,當然也,各有死忠支持者。
<語彙注釈>
維護Wéihù=維持する 死忠Sǐ zhōng=熱烈な信奉
<大意訳>
実際、以前彼は写真を投稿し台南牛肉湯の滋味ある味を大絶賛していた。ただ思いがけずひと言のメッセージで沢山の人たちがとびかかってきて台南牛肉湯のおいしさを守ろうとした。実際、台湾本土の牛でも日本の和牛でも、どんな食べ方であろうとも、それぞれの良さがあり、同じように美味しいものに国境はない。当然ながらそれぞれの食べ物には熱烈な信奉者はいる。
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