今回の題材
出典先:”台灣勞動人口老化速度「世界最快」!人才缺口持續擴大 各產業招募面臨挑戰”より |
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<大意訳 全文>
(タイトル)
◎台湾の労働人口(生産年齢人口)老化速度は「世界最速」!人材不足は拡大の一途 各産業のリクルート活動はピンチに直面
少子化が進む中、国家発展委員会が公表したところでは、我が国の人口における年齢の中央値はこれまでの44・4歳から2030年には早くも48・4歳に上がり、2050年にはさらに56歳に達する。104人力銀行戦略部長兼、中高年銀行総経理の吳麗雪が警告するには、労働人口(生産年齢人口)の老化速度は世界最速で、台湾は2025年には超高齢化社会に突入する。企業の準備時間はわずか400日しかなく、人材不足は拡大の一途をたどり、各産業の人材募集は過去に前例のない大ピンチに直面する。
企業で最も働き盛りの25歳から44歳の青壮年層について吳麗雪は警鐘を鳴らす。この年齢グループは2022年から2030年の間に104万人も急速に減少する。残るのはわずか582万人に過ぎず、企業の雇用において最も困難な問題は、労働人口が急速に老化していくことは明らかであるのに、企業は若い年齢層を期待し、考え方を改めないことだ。我が国の人口に占める年齢の中央値が56歳になった時には、企業はこの考え方だと中高年グループを採用せず、働く従業員がいないという危機的状況に陥る可能性があるのだ。
各業界で労働者不足は差し迫っており、わが国はインド政府と今年の暮れには協力関係を結ぶための覚書に署名をかわしたいと考えている。続々と10万人のインド人移民労働者を製造業、建設業、介護業界などの仕事に受け入れる。政治大学労働局の教授がまとめたレポートによれば、移民労働者を受け入れたとしても根本解決には至らない。予想される状況は一足飛びに急速な労働力不足に直面する。政府はまずは潜在的な労働力を開発していくべきだが、再雇用の女性や中高年あるいは高齢者の労働参加率を高めるというようなことについては、試算すら行われていない。まずは外国籍の移民労働者を率先して受け入れるとともに、問題解決の行程と段階的ステップを国民の就業機会にも反映させるべきである、と。
104人力銀行では中高年雇用についての意識調査のデータを公表する。企業の中高年雇用に対する意識の平均値は5.7ポイント(10ポイントを最上位とした場合)で、吳麗雪は次のように述べる。企業が中高年を雇用したがらないのは、企業からすれば融通が利かない印象があるからで、反応が遅いとか、デジタルに関する能力が不足しているとか、年寄り風を吹かせて威張るから使いづらいとかいったことがあげられるが、さらには中高年が仕事中に労災を起こした場合、企業が職業上の労災に対応するのは煩わしいということもある、と。
人口構造が急速に老化していくにあたり、吳麗雪が提案するのは、職場での仕事の在り方を設計しなおし、フレックスタイム制の考え方を導入するなど、異なる世代の運用による利点を生かしてマンパワー調整をはかり、管理上にも相乗効果をもたらすことだという。グランドホテルを例にあげれば、中高年の仕事は4時間を一単位としており、ならびに強力な助っ人としての考え方を前面に出している。世代ごとに分業や、仕事の分析などの意識を訓練し培うことで、中高年層を労働力不足の時代における助っ人とし、また安全に職務をこなしてもらっているという。
<解説>
日本でも随分以前から高齢化社会の問題は言われてきていますが、なかなか改善も見られていません。
現在、中国でも、そして台湾でも高齢化社会の問題が浮上してきています。
経済力が上がると、子供の数が減っていき、やがては高齢化社会に直面するというのはどの国でも同じです。
労働人口の急激な減少は、産業界にとっては大問題となってきます。
労働人口(生産年齢人口)というのは、バリバリ働いて社会の生産性に貢献しつつ子供を育てて消費の主役を担う青壮年層の労働者の数のことで、これは国の経済的な発展を占ううえでの指標ともなります。
若者が少なくなっていくことは、生産年齢人口を減らしていくことになるので国として考えた場合には生産性も国内需要も減少させてしまうことになります。
さらには各産業界における労働力不足という大問題を引き起こします。
現に、日本でも生産年齢人口の急速な減少は生産性を著しく低下させ、中でもサービス業や小売業は顧客層を失うわけですから今後深刻な危機に見舞われると予測されています。
どうするつもりなのでしょう。
この記事にもありますが、台湾でも東南アジアやインド等からの移民労働者の受け入れを始めています。
おそらくですが、政治構造がトップダウン式で対応が早いのが台湾なので、今後次々と手を打ってくることが予想されます。
移民労働者からすると最近では日本円は価値が下がっていて魅力が薄いうえ、移民に対する差別や人権意識の欠如などから日本は移民労働者からは敬遠されてきています。
傍目で見ていても、台湾の方が移民者には生活もしやすくすでに多くのベトナム人等の移民者コミュニティができていたりします。
日本はまるで奴隷のような扱いでアジアからの移民労働者を扱いがちです。
むしろ台湾や中国を移民先とする人の方が今は多いと思います。
日本の問題とも重なる部分が多い記事ですが、他国ではどのように考えているのかは興味深いところです。
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セクションごとの原文引用・語彙注釈・大意訳
◆今回の出典:台湾yahoo掲載:周刊王CTWANT |中國時報洪凱音
2023年11月27日 週一 上午9:13
セクション1
◎台灣勞動人口老化速度「世界最快」!人才缺口持續擴大 各產業招募面臨挑戰
少子化趨勢下,國發會統計顯示,我國人口年齡中位數將從當前44.4歲,2030年快速提高至48.4歲,2050年更高達56歲,104人力銀行策略長暨中高齡銀行總經理吳麗雪Wúlìxuě警示,勞動人口老化速度世界最快,台灣在2025年將進入超高齡社會,企業準備時間僅約400天,人才缺口持續擴大,各產業招募人才將面臨史無前例大挑戰。
<語彙注釈>
勞動Láodòng 缺口Quēkǒu=割れ目、裂け目 招募Zhāomù=リクルート 國發會Guó fā huì=国家発展委員会 中位數Zhōng wèi shù=中央値 暨Jì=及ぶ、至る 史無前例Shǐwúqiánlì=前例なき
<大意訳>
(タイトル)
◎台湾の労働人口(生産年齢人口)老化速度は「世界最速」!人材不足は拡大の一途 各産業のリクルート活動はピンチに直面
少子化が進む中、国家発展委員会が公表したところでは、我が国の人口における年齢の中央値はこれまでの44・4歳から2030年には早くも48・4歳に上がり、2050年にはさらに56歳に達する。104人力銀行戦略部長兼、中高年銀行総経理の吳麗雪が警告するには、労働人口(生産年齢人口)の老化速度は世界最速で、台湾は2025年には超高齢化社会に突入する。企業の準備時間はわずか400日しかなく、人材不足は拡大の一途をたどり、各産業の人材募集は過去に前例のない大ピンチに直面する。
セクション2
企業最愛任用的25歲至44歲青壯年,吳麗雪警示,這個族群從2022年到2030年將驟減104萬人,僅剩582萬人,企業用人最大困境是,明明勞動人口快速老化,卻期待企業年輕化,企業再不改變思維,當我國年齡中位數達56歲時,企業不任用中高齡族群,可能會陷入無員工可用的窘境。
<語彙注釈>
驟減Zhòu jiǎn=急激な現象 思維Sīwéi=思考 陷入Xiànrù=陥る 窘境Jiǒngjìng=苦境
<大意訳>
企業で最も働き盛りの25歳から44歳の青壮年層について吳麗雪は警鐘を鳴らす。この年齢グループは2022年から2030年の間に104万人も急速に減少する。残るのはわずか582万人に過ぎず、企業の雇用において最も困難な問題は、労働人口が急速に老化していくことは明らかであるのに、企業は若い年齢層を期待し、考え方を改めないことだ。我が国の人口に占める年齢の中央値が56歳になった時には、企業はこの考え方だと中高年グループを採用せず、働く従業員がいないという危機的状況に陥る可能性があるのだ。
セクション3
各行各業缺工迫在眉睫,我國期望與印度政府今年底前簽署合作備忘錄,陸續引進10萬名印度移工從事製造業、營造業、照護等工作;政大勞工所教授成之約表示,引進移工並非根本解決之道,且程序、步驟跳太快,面對勞動力不足,政府應該先開發潛在勞動力,如二度就業女性、中高齡或高齡者的勞動參與率,現在連嘗試都還沒做,就先引進外籍移工,解決問題的程序與步驟會影響國人就業機會。
<語彙注釈>
迫在眉睫Pòzàiméijié=目前に迫る 簽署Qiānshǔ=サインする、契約合意する 備忘錄Bèiwànglù=覚書 移工Yí gōng=移民労働者 營造業Yíngzào yè=建設業 照護Zhàohù=看護 政大勞工所Zhèngdà láogōng suǒ=政治大学労働局 成之約Chéng zhī yuē=交わした約束 程序Chéngxù=予想される推移 步驟跳太快Bùzhòu tiào tài kuài=一足飛びに早い 潛在Qiánzài=潜在的な 解決Jiějué=解決する
<大意訳>
各業界で労働者不足は差し迫っており、わが国はインド政府と今年の暮れには協力関係を結ぶための覚書に署名をかわしたいと考えている。続々と10万人のインド人移民労働者を製造業、建設業、介護業界などの仕事に受け入れる。政治大学労働局の教授がまとめたレポートによれば、移民労働者を受け入れたとしても根本解決には至らない。予想される状況は一足飛びに急速な労働力不足に直面する。政府はまずは潜在的な労働力を開発していくべきだが、再雇用の女性や中高年あるいは高齢者の労働参加率を高めるというようなことについては、試算すら行われていない。まずは外国籍の移民労働者を率先して受け入れるとともに、問題解決の行程と段階的ステップを国民の就業機会にも反映させるべきである、と。
セクション4
104人力銀行聘僱中高齡意願調查數據顯示,企業平均聘用中高齡的意願平均僅5.7分(總分為10分),吳麗雪說,企業不愛聘僱中高齡是對他們有刻板印象,包括反應變慢、數位能力不足、倚老賣老等,更擔心中高齡工作時受傷、企業因而惹上職災麻煩。
<語彙注釈>
聘僱Pìn gù=雇用する 刻板Kèbǎn=柔軟性がない 倚老賣老Yǐlǎomàilǎo=年寄り風を吹かせて威張る 惹上職災Rě shàng zhí zāi=労災に対応する
<大意訳>
104人力銀行では中高年雇用についての意識調査のデータを公表する。企業の中高年雇用に対する意識の平均値は5.7ポイント(10ポイントを最上位とした場合)で、吳麗雪は次のように述べる。企業が中高年を雇用したがらないのは、彼らからすれば融通が利かない印象があるからで、反応が遅いとか、デジタルに関する能力が不足しているとか、年寄り風を吹かせて威張るから使いづらいといったことがあげられるが、さらには中高年が仕事中に労災を起こした場合、企業が職業上の労災に対応するのは煩わしいということもある、と。
セクション5
面對人口結構快速老化,吳麗雪建議,職場工作要重新設計、彈性工時、由上而下的觀念導入等,運用不同世代的優勢調配人力,達到管理綜效;以老爺酒店為例,中高齡工時以4小時為單位,並提出壯幫手概念,世代工作分工、工作拆解等培訓,讓中高齡成為人力短缺下的幫手,也能安全執行工作任務。
<語彙注釈>
結構Jiégòu=構造 彈性工時Tánxìng gōng shí=フレックスタイム制 由上而下Yóu shàng ér xià=トップダウン制 優勢Yōushì=利点を生かす 調配Diàopèi=割り当てる 綜效Zōng xiào=相乗効果 老爺酒店Lǎoyé jiǔdiàn=グランドホテル 壯幫手Zhuàng bāngshǒu=強力な助っ人 分工Fēngōng=分業 拆解Chāi jiě=分析する 人力短缺下的幫手Rénlì duǎnquē xià de bāngshǒu=人手が不足する状況での助っ人
<大意訳>
人口構造が急速に老化していくにあたり、吳麗雪が提案するのは、職場での仕事の在り方を設計しなおし、フレックスタイム制の考え方を導入するなど、異なる世代の運用による利点を生かしてマンパワー調整をはかり、管理上にも相乗効果をもたらすことだという。グランドホテルを例にあげれば、中高年の仕事は4時間を一単位としており、ならびに強力な助っ人としての考え方を前面に出している。世代ごとに分業や、仕事の分析などの意識を訓練し培うことで、中高年層を労働力不足の時代における助っ人とし、また安全に職務をこなしてもらっているという。
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