台湾からの日本旅行は、円安なのに4割値上げ!!?

 今回の題材記事

台湾ヤフー記事「明年出國玩喊漲 日美陸團費至少貴4成」より
台湾ヤフー記事「明年出國玩喊漲 日美陸團費至少貴4成」より

今回の出典記事”明年出國玩喊漲 日美陸團費至少貴4成”へのリンクはこちらから


<解説>

新型コロナが蔓延し、世の中が一変してしまったのは世界中どこでも同じです。

筆者は長年、毎月仕事で大阪に行っていたのですが、コロナ前のインバウンドはすさまじく、道頓堀は外国人で埋め尽くされていました。

これは円安で海外からの旅行者には日本旅行がお得だったからです。

しかし、コロナ蔓延による国境封鎖に近い処置で観光客は一瞬で消えました。

さて、いちおうコロナ禍は終焉しましたが、外国からのインバウンドは回復の兆しを見せません。

日本はいっそうの円安を推し進めているのに、なぜ・・・?

過度な円安は、強烈なインフレを引き起こし、食費やモノの価格が高騰、これはすでに生活物価についてみればインフレターゲット2パーセントなどとうに越えています(政府はいろいろとごまかしを言っていますけれど)。

航空機の本数も減ったまま。

オイル価格が上がり、航空運賃も高い状態が続いています。

さらには記事にもありますが、コロナ前のインバウンドで大幅な投資をしていた旅行業界はコロナで失速し苦い思いをしていて、またインバウンドに期待しようにも事業を拡げられませんので、インバウンドに対応ができていないのです。

結果、これだけ円安であるにもかかわらず台湾からの日本への団体旅行は来年は4割以上値上がりとのこと。

これでは台湾からだけでなく、インバウンドなど増えません。

現在の日本政府の経済政策は、内需も伸びず、インバウンドも伸ばせず、観光業界も飲食業も値上げはしても利益が増えているわけでもありません。

多国籍でやれる一部の産業はいいのでしょうが、国内で商売をしている人たちの多くが非常に深刻な様相を呈してきているのは、国外から見るとわかりやすいように思います。

ところで、日本はアジア方面からの観光客対応は、イマイチですよね。

中華圏の観光客は、優良な顧客となる人は多いのに、英語への対応もマズいのですが、中国語への対応は驚くほど弱いのが日本です。

もう少し考えたほうがいいとは思います。

それにしても、台湾元ですら、この十年で対円のレートはなんと約二倍に上がりました。

それだけ日本の経済力は低下しているとも言えます。

これでは海外旅行だの留学だのできるのは、日本では本当に一部の金持ちだけ、国際化が聞いてあきれます。

円がこれだけ安くなってしまっているのだから、ならばもっと観光客が来てもよさそうなのに、なぜ来ない?

そのへんを考えるにはいい記事だと思います。

◆今回の出典:台湾yahoo!:陳祐誠/台北報導

2023年11月25日 週六 上午5:10

記事と大意訳

セクション1

◎明年出國玩喊漲 日美陸團費至少貴4成

旅行業品質保障協會24日公布2024年第1季各線旅行團參考價格,最受國人歡迎的日本,因旅遊持續暢旺、機位供給不足,加上當地通膨、缺工、日幣貶值的影響下,團費較2023年同期漲4成左右。其他路線漲幅約在1至3成之間,北美因機票漲價可能貴到4成5,大陸也因3月起恢復組團,機位供不應求,團費可能較疫前漲價5成。

<語彙注釈>

喊漲Hǎn zhǎng=大幅な値上がり 第1季=最初のシーズン 暢旺Chàngwàng=盛んである 供給Gōngjǐ→給はこの場合はgeiではなくji 通膨Tōng péng=インフレ 缺工Quē gōng=労働力不足 貶值Biǎnzhí=価値の下落 成Chéng=ここでは、「…割」を意味する 供不應求Gōngbùyìngqiú=需要過多 

<大意訳>

(記事タイトル)

◎来年の海外行楽は大幅な値上がり 日本・アメリカ・中国への団体旅行は少なくとも4割増し

旅行業品質保証協会は24日に、2024年初めのシーズンにおける各方面への団体旅行参考価格を公示、(台湾)国内で人気の高い日本は、旅行者が多く、航空機の数が足らない上に現地はインフレや労働力の不足など、日本円の下落が(海外からの旅行者受け入れに)影響を及ぼしていて、団体旅行費用は2023年の同じ時期より4割前後値上がりしている。その他の方面の値上がり幅はだいたい1割から3割増しといったところで、北米は航空チケットが高騰していることから4割から5割高くなる可能性がある。大陸中国は3月より団体旅行ツアーが復活しているものの、航空機本数が需要過多で、団体旅行の価格は新型コロナウイルスの発生前に比べて5割高となっている。

セクション2

品保協會監事會主席黃文卿Huángwénqīng表示,開放國境屆滿1年,今年春節很多人還在疫情的陰霾中,並沒有這麼熱絡,而現在看明年春節買氣相當旺;他強調,明年春節出遊團費會比今年高出4成,但價格不是選擇產品的第一要素,協會今年擴大國際金旅獎評選,選擇出來的產品消費者不必擔心踩雷。

<語彙注釈>

陰霾Yīnmái=もや 熱絡Rè luò=熱気 旺Wàng=旺盛 選擇Xuǎnzé=選択 國際金旅獎評選Guójì jīn lǚ jiǎng píngxuǎn=推薦ゴールド国際旅行の選考 踩雷Cǎi léi=地雷を踏む

<大意訳>

品質保証協会の監事会主席・黃文卿氏は、(新型コロナ後の)国境の開放からちょうど一年、今年の春節では多くの人は新型コロナを怖れて動きが鈍く、それほどまだ活気はなかった。そのため(反動で)今のところ来年の春節は旅行に出かけようとする機運がかなり高まっている、と述べる。来年の春節における海外への団体旅行の費用は、今年より4割以上高くなるが、価格は旅行商品を選ぶにあたって必ずしも第一の要因にはならない。協会では今年は国際優良旅行賞の選考対象を拡大する。選ばれた旅行商品は消費者にとって外れる心配がないものとなる、と彼は強調する。

セクション3

交通部宣布明年3月1日起旅行社可組團赴大陸旅遊,大陸線價格成為關注重點。黃文卿指出,大陸旅遊產品與疫情前相比大概多5成,過去航點有51個、現在只剩13個,以運能來算每周大概3.6萬個座位數,最多可送5000多人過去,對比2019年每天可乘載1.1萬人是遠遠不足,造成機票票價會上漲。

<語彙注釈>

赴Fù=赴く 關注重點Guānzhù zhòngdiǎn=注目を集める 乘載Chéng zài=乗る 上漲Shàngzhǎng=値上がり

<大意訳>

交通部は来年3月1日より旅行会社は中国への団体ツアーが行えるようになる、と公式発表、中国方面への旅行価格がいくらになるかに関心が集まる。黃文卿は、中国への旅行商品は新型コロナ前と比較した場合だいたいが5割以上高くなるだろう、と指摘する。以前は航空機の発着地点が51か所あったものが、今は13か所に過ぎず、輸送能力から換算して毎週だいたい36000人分の座席数であり、多くても一日5000人しか中国に行くことができない。2019年毎日11000人が乗り込むことができたのと比べたらまるで不足していて、これが航空券の価格高騰につながっている、と。

セクション4

疫後台灣人仍最愛日本,但日本團價格維持高檔,主要是機票高票價,而當地飯店缺工、薪資上漲、原物料漲,吃飯每餐會比疫前貴500日圓左右。日幣貶值造成日人多留在國內,拉抬房價和消費,過年期間北海道5天行程超過10萬,是數10年來首見。

<語彙注釈>

高檔Gāodàng=高止まり 拉抬Lā tái=吊り上げる 數10年來Shù 10 niánlái=何十年の間で 首見Shǒu xiàn=初めて 

<大意訳>

新型コロナ後も台湾人には依然として日本が一番人気だ。しかし日本への団体旅行価格は高止まりしている。主な原因は航空券が高いこと、さらに現地のホテルは人員不足だし賃金も高騰、原材料価格も高騰、一回食事するのに新型コロナ前よりも500円くらい高くなっている。円安のため日本人は国外に出ないようになったことがホテルや消費価格を吊り上げる。この一年での北海道5日間の旅行価格は10万元(日本円で50万弱)を超えた。これはこの数十年での最高値である。

セクション5

韓國是少數旅遊團費有降價的地區,但消費者選擇產品時,要留意選到的購物或非購物團。東南亞受惠於疫情紅利加上台灣進入冬天,台灣旅客大增,各國團費都有漲價,其中泰國賣得最好,在免簽推波助瀾下,機票、住宿等漲5%左右。

<語彙注釈>

受惠Shòu huì=恩恵を受ける 紅利Hónglì=ボーナス 泰國Tàiguó=タイ 免簽Miǎn qiān=ビザ不要 推波助瀾Tuībōzhùlán=積極的に推し進める 

<大意訳>

韓国は団体旅行価格が値下がりしている地域も多くはないがある。しかし消費者は旅行商品を選ぶ際、買い物ができる団体ツアーかどうかは注意して選ぶ必要がある。東南アジアは新型コロナの(海外渡航禁止処置に対する)反動需要の恩恵を受けているのに加え、台湾が冬に入ると台湾からの旅行客数が大幅に増えるので、各国とも団体旅行価格は高騰しているが、そうした中、タイはお買い得である。ビザ免除を積極的に推し進めていて行きやすいし、航空券、宿泊費は5パーセント程度の値上げ幅である。


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