今回の題材
今回の出典:亞錦賽/劉基鴻扛第4棒!王貞治開球「1舉動」成台灣隊助力より |
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<解説>
台湾にもプロ野球があって、人気スポーツではありますが、以前、八百長問題などで大いにもめて、一時は人気が大幅に低迷した時期もありました。
しかし、最近は組織の再編やイメージ戦略の見直しで人気は回復傾向にあります。
楽天グループが台湾でもラ・ニュウの球団だった「モンキーズ」を買収し、プロ野球チームを運営していますし、また体力ある企業がスポンサーとしてその他のチームを買収、現在は5チーム体制でプロリーグが行われています。
今回のアジア選手権始球式には王貞治さんが登場、これは日本で報じられる以上に台湾では大きな反響を呼んでいます。
王貞治さんといえば、日本では知らぬ者のいないレジェンド中のレジェンド、ホームランのギネスブック記録もさることながら、サムライジャパンの初代監督も歴任された、日本を代表する野球人です。
が、王さんは母親が日本人、父親は徐州出身の中国人で、国籍は「中華民国」でしたので、現在では「台湾国籍」ということになります。
これは、王さんの父親の時代は中国は中華民国だった、ということで王さんや王さんのご家族が台湾と関係があったわけではありません。
しかし、台湾の正式国名は今も「中華民国」であり、台湾人にとっては王さんは「同胞」という意識が非常に強く、日本にいる「同胞の超大物スター、別格レジェンド」という思いを多くの人が持っています。
王さんご自身は、敬愛しておられる父親のルーツを重視することから国籍は中華民国としているものの、自分自身は母親は日本人で東京で育ち、日本で生涯を野球に捧げてきた日本人である、とおっしゃっています。
王さんほどになると、国際的な「野球人」であり、国籍云々など問題ではなく多くの人から敬愛される存在であることは言わずもがなですが、王さんが始球式で投げた台北ドームでのアジア選手権始球式は台湾では非常に注目を集め、話題となっています。
ジェフリー・クー・ジュニアさんは、台湾の財閥である中信銀行グループの御曹司であり、現在は台湾野球連盟の会長を務めます。
いろいろとスキャンダルもあった人物ですが、台湾野球のイメージチェンジには成功しつつあります。
中信銀行グループも名門球団である「兄弟エレファンツ」を買収するなどして台湾野球の振興には大いに一役買ってきており、確かにここ数年で台湾プロ野球は従来の泥臭いイメージを一新してあか抜けてきています。
チアガールの動画なども一つの広報戦略で、WBCでも台湾野球のアピールには大いに一役買いました。
球場も台北ドームをはじめとしてここのところ最新化が図られてきています。
台湾観光の際に、美女ぞろいの台湾チアガールと共に野球観戦というのも、今後は一つの選択肢になるのかもしれませんね。
<大意訳 全文>
(タイトル)
◎アジア選手権/劉基鴻が4番に据わる!王貞治さんの始球式「パフォーマンス」で台湾代表は勇気づけられる
2023年野球のアジア選手権は今日3日に台北ドームで開幕、開幕戦はまさに国民が注目する「台湾vs韓国」戦であった。今回の大会のため、台湾(中華民国)の末裔である日本の伝説の野球スター「OHさん」・王貞治さんも昨日2日午後、台北ドームでの始球式を行った。終了後はさらに(台湾代表の)4番、劉基鴻への「パフォーマンス」を披露、ジェフリー・クー・ジュニア台湾野球連盟会長も視察して劉基鴻への激励の「ひと言」をかけた。
83歳と高齢の王貞治さんは2日に台北ドームへ訪れると、温かく選手たちと握手を交わし、挨拶した。大御所に謁見し台湾代表の選手たちも起立・脱帽し敬意を表した。王貞治さんはさらに「台北ドームは、東京ドームや福岡ドームといったアジアを代表する球場にまったくひけをとりませんよ。こんなに素晴らしい球場ならば大会の会場としてふさわしいし、台湾の選手だけでなく海外から来た選手たちにとってもいい思い出となることでしょう」。
今日3日の台湾vs韓国戦に、台湾代表は心して臨んだ。先発投手には台湾シリーズで目を見張る成績を上げ、MVPを獲得した徐若熙Xúruòxīを起用、郭李建夫Guō lǐ jiànfūヘッドコーチはインタビューの際、徐若熙は緊張するのもいい、応援を受けながらプレッシャーをエネルギーに変えてトーナメントでは最高のパフォーマンスをしてくれると期待している、ともらした。
そして4番を務めるのは、当然「紅色大砲」劉基鴻だ。劉基鴻は今年は台湾リーグでは味全ドラゴンズの4番を務め、パフォーマンスは印象深かった。チャンピオンズトーナメント初戦でも一試合二本を打ち、延長14回にも再び轟音をとどろかせた。23歳と一日にしてチャンピオンズトーナメントひと試合で二発のホームランを放ち、史上最年少の記録を破り、今回も再び4番を任されるのは当然のこと。初めて台湾国内での国際大会で打つのだけれど、やはり平常心をもって試合に臨みたい、と彼は言い放つ。
面白いことに《自由時報》の報道によると、昨日2日に王貞治さんが始球式を終えて台湾代表選手たちとの写真撮影をした際、たまたまいい場所にいたのか、それとも意図したものか、王貞治さんは劉基鴻の肩に手を載せて写った。ジェフリー・クー・ジュニア台湾野球連盟会長は視察して特別に「世界のホームラン王が期待してくれているんだから、君は力を発揮しなくちゃな!」と(劉基鴻に)声をかけた。
このところの(台湾・韓国)両国の国際大会での記録を見てみると、台湾代表は杭州アジア大会予選ステージでは4-0で韓国を完封、しかし思いもよらず決勝戦でまた再戦し、最終的には0-2で韓国に敗れ、金メダルを逃した。先月開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップでは東京ドームにて台湾代表は意気込んで韓国代表に挑んだが、結果は1-6で韓国に敗れていて、決勝で勝てていない。二つの大会で連続して韓国と戦って台湾は未だに未勝利、野球ファンを失望させてしまってもいた。今夜3日の試合では、台湾代表はいい結果を期待されていたので、韓国に勝つことができて野球ファンはもやもやが晴れて胸をなでおろしている。
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原文引用・語彙注釈・大意訳
◆今回の出典先:台湾Yahoo!民視新聞網
2023年12月3日 週日 上午11:10
體育中心/周孟漢報導
セクション1
◎亞錦賽/劉基鴻扛第4棒!王貞治開球「1舉動」成台灣隊助力
2023年亞錦賽將今(3)日晚間於大巨蛋開打,且開幕戰就是備受國人矚目的「台韓大戰」,為了這場賽事,台裔日本傳奇球星「OH桑」王貞治,也特別在昨(2)日下午替大巨蛋開球,而在結束後更是對第4棒的劉基鴻Liújīhóng做出「1舉動」,辜仲諒Gūzhòngliàng見狀也特別提醒「1句話」激勵劉基鴻。
<語彙注釈>
桑Sāng=日本語の「…さん」の音読み当て字 替Tì=のために 舉動Jǔdòng=パフォーマンス 辜仲諒Gūzhòngliàng=ジェフリー・クー・ジュニア
<大意訳>
(タイトル)
◎アジア選手権/劉基鴻が4番に据わる!王貞治さんの始球式「パフォーマンス」で台湾代表は勇気づけられる
2023年野球のアジア選手権は今日3日に台北ドームで開幕、開幕戦はまさに国民が注目する「台湾vs韓国」戦であった。今回の大会のため、台湾(中華民国)の末裔である日本の伝説の野球スター「OHさん」王貞治さんも昨日2日午後、台北ドームでの始球式を行った。終了後はさらに(台湾代表の)4番、劉基鴻への「パフォーマンス」を披露、ジェフリー・クー・ジュニア台湾野球連盟会長も視察して劉基鴻への激励の「ひと言」をかけた。
セクション2
高齡83歲的王貞治昨(2)日一進到大巨蛋,就親切和球員們握手、打招呼,見到偶像現身,台灣隊選手也紛紛起身、脫帽致意,王貞治更是大讚「台北大巨蛋完全不輸,亞洲最具指標性的日本東京或福岡巨蛋,能在如此完善的場地進行比賽,包括台灣選手以及來自海外的選手,都能有很好的回憶」。
<語彙注釈>
完全不輸Wánquán bù shū=なかなかのもの
<大意訳>
83歳と高齢の王貞治さんは2日に台北ドームへ訪れると、温かく選手たちと握手を交わし、挨拶した。大御所に謁見し台湾代表の選手たちも起立・脱帽し敬意を表した。王貞治さんはさらに「台北ドームは、東京ドームや福岡ドームといったアジアを代表する球場にまったくひけをとりませんよ。こんなに素晴らしい球場ならば大会の会場としてふさわしいし、台湾の選手だけでなく海外から来た選手たちにとってもいい思い出となることでしょう」。
セクション3
至於今(3)日的台韓大戰,台灣隊不敢輕敵,先發投手派出在台灣大賽繳出亮眼成績,並奪得MVP的徐若熙Xúruòxī,總教練郭李建夫Guō lǐ jiànfū在受訪時透露,如果徐若熙有感到緊張是好事,也會持續給予鼓勵,期望他能將壓力轉成動力,在比賽上能好好表現。
<語彙注釈>
不敢輕敵Bù gǎn qīngdí=油断しない 繳出Jiǎo chū=結果を引き出す 透露Tòulù=もらす給予鼓勵Jǐyǔ gǔlì=励まされる
<大意訳>
今日3日の台湾vs韓国戦に、台湾代表は心して臨んだ。先発投手には台湾シリーズで目を見張る成績を上げ、MVPを獲得した徐若熙Xúruòxīを起用、郭李建夫Guō lǐ jiànfūヘッドコーチはインタビューの際、徐若熙は緊張するのもいい、応援を受けながらプレッシャーをエネルギーに変えてトーナメントでは最高のパフォーマンスをしてくれると期待している、ともらした。
セクション4
而扛第4棒的則是「紅色大砲」劉基鴻,劉基鴻在今年在台灣大賽扛下味全龍第4棒表現令人印象深刻,總冠軍賽首戰單場雙響砲,延長賽14局敲出再見轟,以23歲又1天總冠軍賽單場雙響砲,破史上最年輕雙響砲紀錄;針對這次再次擔任關鍵第4棒,他坦言雖然是第一次在國內打國際賽,但還是會以平常心應戰。
<語彙注釈>
而扛Ér káng=そして務めるのは 轟Hōng=バットの音を響かせる 關鍵Guānjiàn=不可欠な
<大意訳>
そして4番を務めるのは、当然「紅色大砲」劉基鴻だ。劉基鴻は今年は台湾リーグでは味全ドラゴンズの4番を務め、パフォーマンスは印象深かった。チャンピオンズトーナメント初戦でも一試合二本を打ち、延長14回にも再び轟音をとどろかせた。23歳と一日にしてチャンピオンズトーナメントひと試合で二発のホームランを放ち、史上最年少の記録を破り、今回も再び4番を任されるのは当然のこと。初めて台湾国内での国際大会で打つのだけれど、やはり平常心をもって試合に臨みたい、と彼は言い放つ。
セクション5
有趣的是,根據《自由時報》報導,昨(2)日王貞治開球完與台灣球員合照時,不確定是否是位置剛好,還是刻意為之,王貞治將手搭在劉基鴻肩上,辜仲諒Gūzhòngliàng見狀也特別提醒「有世界全壘打王的加持,你要好好發揮喔!」。
<語彙注釈>
肩上Jiān shàng=肩に 全壘打Quán lěi dǎ=ホームラン
<大意訳>
面白いことに《自由時報》の報道によると、昨日2日に王貞治さんが始球式を終えて台湾代表選手たちとの写真撮影をした際、たまたまいい場所にいたのか、それとも意図したものか、王貞治さんは劉基鴻の肩に手を載せて写った。ジェフリー・クー・ジュニア台湾野球連盟会長は視察して特別に「世界のホームラン王が期待してくれているんだから、君は力を発揮しなくちゃな!」と(劉基鴻に)声をかけた。
セクション6
翻開近期2隊在國際賽事上的紀錄,台灣隊在杭州Hángzhōu亞運預賽上,以4:0完封南韓,不料雙方在金牌戰又重逢,最後台灣隊以0:2落敗南韓,錯失金牌;上個月舉辦的亞洲職棒冠軍爭霸賽,在東京巨蛋登場,台灣隊與南韓隊強碰,最後台灣以1:6輸給南韓,無緣晉級冠軍戰。連續兩場面對南韓的戰役,台灣隊都未能奪下勝利,也不免讓部分球迷感到失落,期盼今(3)晚台灣隊能創造佳績,成功擊退南韓,讓球迷們一掃陰霾。
<語彙注釈>
翻開Fān kāi=開けてみると 亞運預賽Yàyùn yùsài=アジア大会予選ラウンド 不料Bùliào=思いもよらず 金牌戰Jīnpái zhàn=決勝戦 強碰Qiáng pèng=強い覚悟で臨む 晉級Jìnjí=成果を出す 期盼Qī pàn=期待する 一掃陰霾Yīsǎo yīnmái=すっきりしない気分を一掃する
<大意訳>
このところの(台湾・韓国)両国の国際大会での記録を見てみると、台湾代表は杭州アジア大会予選ステージでは4-0で韓国を完封、しかし思いもよらず決勝戦でまた再戦し、最終的には0-2で韓国に敗れ、金メダルを逃した。先月開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップでは東京ドームにて台湾代表は意気込んで韓国代表に挑んだが、結果は1-6で韓国に敗れていて、決勝で勝てていない。二つの大会で連続して韓国と戦って台湾は未だに未勝利、野球ファンを失望させてしまってもいた。今夜3日の試合では、台湾代表はいい結果を期待されていたので、韓国に勝つことができて野球ファンはもやもやが晴れて胸をなでおろしている。
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